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  • 向井了一社会保険労務士事務所

【2023年度版】社会保険 算定基礎届(定時決定)の届出


2023年 算定基礎届 定時決定

算定基礎届(定時決定)は、毎月の社会保険料の基準となる標準報酬月額を見直す1年に1回の機会です。


毎年7月1日から7月10日のあいだに、社会保険に加入している役員・従業員(以下、社会保険被保険者といいます)の4、5、6月に支給された役員報酬・賃金(以下、賃金といいます)を届出する定例の手続です。


定時決定の届出には、算定基礎届という書類を使います。算定基礎届が同封された茶色の封筒が、6月初旬から中旬にかけて日本年金機構から企業宛に発送されています。


2023年の届出期限は、7月10日(月)です。

提出方法や届出様式に変更はありません。今回の記事では、毎年一度の算定の基礎知識として、対象者や標準報酬の決定方法を改めてお伝えします。


なぜ、定時決定が必要なのか


社会保険料は、賃金に見合うよう計算されています。しかし賃金に変動があると、実際の賃金と社会保険料の基準となる標準報酬月額に大きな差がでてくることがあります。そのため、1年に1回見直しを行い、賃金にあった標準報酬月額を決める必要があります。


標準報酬月額は、年金額や傷病手当金などの保険給付の計算にも使われるため、正しく届出をしなければなりません。


定時決定の対象者


【対象となる人】

・ 5月31日以前に資格取得した社会保険加入者で、7月1日現在、在籍中の被保険者および70歳以上被用者 ※1

・7月1日以降に退職する人

・産前産後休業・育児休業等の休職者

・介護休業中の休職者

・私傷病休職者

・海外勤務の人

・一時帰休者 ※2

・二以上勤務者

※1 70歳以上被用者とは、社会保険の加入要件に満たす働き方をしている従業員で、継続雇用して70歳を過ぎた方や新たに雇用した70歳以上75歳未満の方をいいます。

※2 一時帰休とは、企業の経済的理由や事業の縮小などにより、一時的に雇用が停止される状態です。


【対象とならない人】

・6月1日以降に入社(資格取得)する人

・6月30日以前に退職(7月1日以前に資格喪失)する人

・7月随時改定対象

・8月、9月随時改定対象者 ※


随時改定とは、固定的賃金(基本給、諸手当など)が変更になり、標準報酬月額に2等級以上の差がでたときに行う手続です。産前産後休業終了時報酬月額変更、育児休業等終了時報酬月額変更を含みます。


※8月、9月に随時改定をする予定の人は、算定基礎届の届出対象となりますが、届出時において随時改定が予定されているときは、算定基礎届の届出を省略できます。


標準報酬月額の決定方法


毎年4、5、6月に支給する3か月間の賃金を報酬総額とし、報酬月額を決定します。


報酬総額に含める賃金は、支払基礎日数が1か月に17日以上ある月の賃金です。短時間労働者で17日以上の支払基礎日数が1か月もないときは、支払基礎日数が15、16日の月のみ報酬総額とします。ただし特例適用事業所(※)の短時間労働者は11日以上です。


支払基礎日数とは、賃金支払が発生する労働日、有給休暇、休業日などを合計した日数です。


※特例適用事業所とは、従業員数101名以上の企業です。週20時間以上から社会保険の加入が必要になります。


【報酬月額算出方法】

各月の給与総額を合計した報酬総額に対し、対象とした月数「3」で除した額が報酬月額です。

報酬月額算出方法

(例)月給制/毎月20日締切/当月25日支払の場合

例)報酬月額算出方法

【標準報酬月額決定方法】

届出された報酬月額は、健康保険・厚生年金保険の保険料額表に沿って標準報酬月額が確定します。確定された標準報酬月額は、その年の9月から翌年8月まで適用されます。

その後、標準報酬月額に都道府県ごとの保険料率を掛けることで毎月の社会保険料が決まります。


定時決定の対象となる賃金とは


報酬総額の対象となる賃金とは、給料、俸給、手当、賞与などの名称を問わず、労働の対償として受けるすべてのものを含みます。


また、金銭(通貨)に限らず、通勤定期券、食事、住宅など現物で支給されるものも報酬に含まれます。ただし、臨時に受けるものや、年3回以下支給の賞与などは、報酬に含みません。

報酬となる賃金、ならない賃金

さまざまな標準報酬月額の算出方法

定時決定には、雇用形態や勤務状況に応じたさまざまな標準報酬月額の決定方法があります。


多くの企業で発生する可能性のある決定方法をご紹介します。


【4、5、6月の支払対象期間の途中から入社したとき】

4、5月の給与の支払対象となる期間の途中から資格取得したことにより、1か月分の給与が支給されない場合、1か月分の給与が支給されない月(途中入社月)を除いた月を対象とし報酬総額を算出します。


(例) 4月1日入社/月給制・毎月20日締切、翌月10日支払の場合

4月分(給与計算期間:2月21日〜3月20日)の給与は入社前のため支払われておらず、5月分(給与計算期間:3月21日〜4月20日)から給与が発生します。

5月分の給与は、日割計算になり1か月の給与が支給されないため、4月、5月を除いた6月のみの給与総額で報酬月額を算出し修正平均として使用します。


修正平均とは、4月から6月のあいだに支払われた給与で計算すると高い標準報酬になったり、反対に、低い標準報酬で計算されてしまったりということが起こってしまうため、それらを調整することをいいます。

修正平均とは

この修正平均を使用した場合、算定基礎届の「備考」の欄に修正平均の内容を必ず記載しなくてはいけません。

修正平均の記載方法

【4、5、6月の支払基礎日数がいずれも17日未満の場合】

4、5、6月のいずれも支払基礎日数が17日未満の場合や、病気等による欠勤、育児休業や介護休業等により給与の支払いが全くない場合は、従前の標準報酬月額で決定します。


(例)2月26日より産前休業/月給制・毎月20日締切、翌月10日支払の場合

4月分(給与計算期間:2月21日〜3月20日)は産前休業前の勤務分5日分の給与が発生し、5月分、6月分は休業中のため給与が発生しません。

支払い基礎日数が17日未満の場合

従前の標準報酬月額で決定をする場合、算定基礎届の「備考」の欄に修正平均の内容を記載する必要があります。

支払い基礎日数が17日未満の記載方法

今回ご紹介したケース以外にも、標準報酬月額の決定方法があります。

必要に応じて、下記を参照してください。

算定基礎届(定時決定)の様式

定時決定の届出方法


定時決定の届出は以下のとおりです。


届出様式:

健康保険・厚生年金保険 被保険者報酬月額算定基礎届/70歳以上被用者 算定基礎届


添付書類:なし

届出期限:

2023年7月1日(土)~7月10日(月)

届出先 :事務センター又は管轄の年金事務所

届出方法:郵送、電子申請、電子媒体(CD・DVD)持参

郵送のときは、日本年金機構から送付されてくる茶色の封筒に同封された返信用封筒を使って届出してください。また、電子媒体(CD・DVD)で届出をするときは、電子媒体届出書総括票の添付が必要です。



まとめ


定時決定は、毎年決まった時期に必ず行う手続です。年間の業務スケジュールに入れておくことをおすすめします。届出期間は7月1日から7月10日と短いため、6月支給の賃金が確定したら手続準備を進めてください。日本年金機構では、定時決定の流れについての動画も提供しています。ぜひ参考にしてください。


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