なぜ労働時間管理が必要なのか?
労働時間管理の必要性
「客観的な記録による労働時間の管理」は労働安全衛生法により既に義務化されています。
(2019年4月から義務化)
コンプライアンスによる労働時間管理の必要性は、当然のことながら「義務」なのでいまさら議論の余地はありません。
では、なぜいまだに労働時間管理をしていない会社が多いのでしょうか。
・月給者だから必要ない
・残業代を細かく計算するのが面倒
・営業職だから必要ない
・厳密に労働時間を測っていたら会社なんかやってられない
・(ブラックなのは分かっている)時間管理をしたらブラックさが更に強調されてしまう
・時間管理をすることによって、労働者から残業代を請求してくるんじゃないか
これらの理由はこれまで耳にしてきたものですが、残念ながら全く通用しません。
むしろ、時間管理をしていないことによる会社のリスクを考えるべきです。
「会社のリスク」とは、法令違反、長時間労働、残業代未払い等です。
この視点からの労働時間管理の必要性については多くの記事で言及されていますので、今回は「労働生産性」の視点から労働時間管理の必要性を考えてみましょう。
労働生産性について考える
「労働生産性は「労働投入量1単位当たりの産出量・産出額」として表され、労働者1人当たり、あるいは労働1時間当たりでどれだけ成果を生み出したかを示すものです。」また、「付加価値とは、生産額(売上高)から原材料費や外注加工費、機械の修繕費、動力費など外部から購入した費用を除いたものです。」
つまり、総労働時間を把握することで、自社の労働生産性を測ることができるのです。
(図1)
生産性には、2つに大別されます。
・物的生産性
・付加価値生産性
会社の成長を測る指標に労働生産性を利用する
営業利益=売上総利益ー販管費(販売費及び一般管理費)で算出されます。
営業利益が上がっていたら、「会社は成長している」と言えるでしょうか。
仮に(図1)で、売上高から人件費を引いた部分「A<B」だったとしても、生産性が上がっていると単純には言えないのです。
◆労働生産性の計算方法◆
物的生産性
・1人あたりの労働生産性=生産量÷労働者数
・1時間あたりの労働生産性=生産量÷(労働者数×労働時間)
付加価値生産性
・1人あたりの労働生産性=付加価値額÷労働者数
・1時間あたりの労働生産性=付加価値額÷(労働者数×労働時間)
1時間あたりの労働生産性を測定するのには労働時間が必要なのです。
労働生産性を上げることが求められている
労働生産人口が年々減少していることは周知の通りです。
今後さらに人手不足となり、労働力の確保が厳しくなっていきます。
コンプライアンス意識のない会社に人は集まりません。定着しません。
労働時間管理をはじめ、残業時間を減らす、年次有給休暇の取得推進、男性社員の育児休業取得促進などは、将来的に過酷な人材獲得競争社会にさらされる中小企業こそ今から取り組むべき課題でもあるのです。
労働生産性を上げるためにも、まずは自社の総労働時間の把握から始めてみませんか。
当事務所では、客観的な労働時間管理システムとして「ジョブカン」をお勧めしています。
「ジョブカン認定アドバイザー」として、ジョブカンの導入を支援しています。
お気軽にお問い合わせください。
Commentaires